東京研修 第二話
こんにちは、稲田です。
東京の某市場で2ヶ月間の新人研修を受けたのですが、
その研修プログラムの中に一週間の「産地研修」がありました。
ぼくたちの班は茨城県にあるネギ、レタス、トマトの有力な産地へ行き、
ぼくはネギとレタスを作る農家さんに一週間お世話になりました。

流通の先端部にあたる農作業を体験しにいったのですが、最初に任された作業は
「除草」
最初、草抜きくらい、まあ、楽ではないだろうけど
それほど大変でもないだろうと高をくくっていたのですが、
それは大きな誤算で、
連れて行かれた先には広大なネギ畑が広がっており、
一帯には無慈悲に初夏の日差しが注がれていて、
日焼けと筋肉痛が約束されていました。
しゃがみ込んで片膝をつき、鎌で半ば掘るように根こそぎ除草するのですが、
姿勢を維持するだけで体力を使いました。
ほんの数時間ぶちっ、ぶちっと除草をしただけなのに、
早くも農業の尊さみたなものをひしひしと感じていました。
何かを作り出す楽しみも確かに覚えつつ。

近年日本国内における若者の農業離れが加速しているのですが、
産地研修に行った先の地区もまた跡継ぎ不在による労働力の高齢化に苛まれていました。
ぼくが雑草と死闘を繰り広げているその隣の畑では、
九十歳を超えるおばあちゃんが黙々と農作業をされていて、つまりはそれが現状でしょう。
南アジアなどからの留学生をアルバイトとして雇っている農家さんも少なくなかったです。
この産地研修では農作業だけでなく、地域の農協でも作業をさせていただきました。
農協も地域の野菜のブランド化や、新商品の開発、
世間の農薬に対する不安の解消などに尽力されていました。

あっという間にセンセーショナルな一週間は終わりました。
だいぶ肌も焼けたし、筋肉痛にもなりましたが、それこそが農業なのだとぼくは思います。
(第二話 終り)

